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バレンタインデー:雪でスタックしている車を救出してくれたあの人はあなたに好意があるかも

「頼まれごとは 試されごと!」

実業家である中村文昭さんが代表を務めるクロフネカンパニーの企業理念です。

中村文昭さんの講演を聞いたことがある人は誰でも知っているキーワードです。

朝起きてから寝るまでの間、一日に204回何かを頼まれるそうです。204回の根拠はさておき、頼まれたら、損得を考えずに引き受けるということです。しかも、「返事は0.2秒」。しかも、期待以上の対応をすること。

【例】真夏のある日

「おーい、ちょっとお茶買ってきて!」

■一般的なケース 

「は、はい。」

『なんでこのくそ暑い中、なんで俺が行かなあかんねん。』

 と思いながらお茶を買ってくる。

「買ってきました。」

「サンキュー、そこ置いといて。」

■中村文昭さんの対応 

「はい!!」

0.2秒で間髪を入れずにめちゃくちゃ元気に返事をする。

『よっしゃ、今俺に頼まれごとしましたねぇ!みとけよ、感動させたるわ!』

炎天下の中、猛ダッシュで汗をダラダラかきながら速攻で買って戻ってくる。

さらに、わざとらしくハァハァ言いながら

「社長!買ってきましたよ。お茶ぁ!」

と言って勢いよく渡す。

「お前、このくそ暑い中走って行ったんか!!アホかぁ、お前!!」

言いながら相手が感動し、記憶に残る。

相手に感動を与えることで、印象に残り、ちょっとした事でも「同じ仕事を頼むのであれば彼に頼もう」という風につながり、自分に返ってくるということです。

人は頼まれたたら断りにくいものです。特に日本人はそうかもしれません。(根拠はありませんが)

「頼まれごとは 試されごと!」

これはこれで素晴らしい事なんですが、今回お話したいのは、「頼まれる」ではなく「頼む」方の話です。

前回のコラム「サラリーマン諸君へ!人生100年時代に向けた雪かきのススメ」で、「ご近所さんに雪かきのお手伝いを頼んでみましょう」というお話をしました。

実は他人から好感や信頼を得るためには、頼まれごとに一生懸命に答えるよりも、人に物事を頼む方が効果的なのです。

これは、片思いの相手を振り向かせるための心理的恋愛テクニックとして取り上げられ、心理学の「認知的不協和理論」を使ってちょくちょく説明されています。

認知的不協和理論とは、客観的事実に反する考えや行動を行ったときに生じる不快感を解消するために、自分の考えや行動を変えようとするという人間の心理のことです。

見ず知らずの人に、雪かきやスタックしている車の救出を頼まれ、手伝ったとします。人はその行動に対する目的を明確にしようとします。ところが、見ず知らずの人から頼まれた手助けに対して目的があるはずがないので、心のなかで矛盾が生じ、不快感を得てしまいます。そこで脳は、助けたのは相手に好意を持っているからだと勝手に解釈をし、相手を好きになるということです。

「喉が乾いたなぁ」と思ったら、お茶を入れてくれたり、

「小腹が空いたなぁ」と思ったら、お菓子を出してくれたり・・・。

あたなの周囲にホスピタリティの高い人は居ませんか?

また、自分で何にもしなくても、周囲がいつも手伝っている人は居ませんか?

他人に助けてもらう人になることで、他人から好かれる人になれるのです。

これは部下を行動を促すのに有効なだけでなく、仕事以外の人脈を作る際にも有効です。雪かきを頼んでみることでご近所づきあいが始まるかもしれません。

また、2月14日といえばバレンタインデーですね。大雪であなたの車がスタックした時に助けてくれた男性はいませんでしたか?その人にチョコを渡すと交際が始まるかも?!

「働き方の未来と何の関係があるの?」

それがあるんですよ。

仕事を好きになってもらう、会社を好きになってもらうには、命令するだけではなく、仕事を頼んだり、任せる事が必要になってきます。そういった意味で、今回の話は一つのヒントになるかもしれませんよ。お試しあれ。

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