サラリーマン諸君へ!人生100年時代に向けた雪かきのススメ
■もはや自然災害と言っても良いくらいの大雪
雪、雪、大雪!!
昨年までは、タイヤのゴムがすり減るので、スタッドレスタイヤに履き替えるのは止めようかと思っていたのに・・・。
雪かきをしても、雪かきをしても、積もる雪。除雪をしても雪を捨てる場所が無く、歩道が雪捨場に。その雪山は車道まで広がり1車線を塞いでしまっています。福井県と石川県の県境では、国道8号線に1500台もの車が往生。千人を超える自衛隊員が雪かきをして救出するなど、もはや自然災害と言っても良いくらいです。
「人生でも最も雪かきをしたかも?」
「腰をやっちゃったよ〜」
「雪はもうお腹いっぱい」
「もう勘弁して〜」
大雪は生活者にとっては、大迷惑以外の何ものでも無いです。
でも、良い側面もあるんです。
それは、ご近所さんと仲良くなれるということです。
2/11(日・祝)金沢市の「市民一斉除雪デー」では、老若男女混じって一緒に共有道路を雪かきをしたり、雪にスタックする車を近所の人をみんなで助けたり、・・・。そして、あちらこちらで、「ありがとう」の言葉。そして笑顔が。
一方で、SNSでは、「雪かきをしないご近所さん」や、「大雪で人格がわかる」・・・といった投稿が散見されたのはちょっぴり残念ですが。
ということで、今回は人生100年時代に向けた雪かきのススメについてお話しましょう。
■日本人は最も社会的孤立している国民?
まず、このグラフをご覧ください。
このグラフは、OECD諸国の社会的孤立の状況を国際比較したものです。ビックリですね。日本人は最も社会的孤立している国民なんだそうです。相手を思いやり、空気を読み、場合によっては忖度をするような日本人が、実は最も寂しい国民だとは・・・。一億総活躍社会ならぬ、一億総お一人様社会?
なぜこんな結果になるんでしょう?ちょっと考えてみてください。
「♫24時間働けますか?ビジネスマーン、ビジネスマーン。ジャパニーズビジネスマーン♪」
これは、バブル時代の栄養ドリンクのCMソングです。年齢がバレちゃいますね(笑)
普通に考えれば、きっと日本人は働き過ぎだからなんでしょうね。
毎日、残業続きで、会社で働いている時間が長いから、仲間や人脈も仕事関係が中心となり、ボランティアや趣味などのコミュニティに参加する時間が無いから。
だとすると、政府が掲げる「働き方改革」によって残業時間の削減が一段と進めば、自由な時間が増え、プライベートな人脈も増えていくことでしょう。パチパチ。と言いたいところなんですが、実はそうでは無いかもしれません。
■驚くなかれ、既に日本は米国よりも実労働時間は短いんです
このグラフをご覧ください。
驚くなかれ、既に日本は米国よりも実労働時間は短いんです。日本の2104年の平均年間総実労働時間は1729時間。米国は1789時間です。自由に使える時間はバブル以降増え続けているんです。といいたいところなんですが、実はこのデータ、パートタイム労働者が増加したため、全体としての実労働時間が短くなっているだけで、フルタイム労働者の実労働時間はあまり変化していないのが現状なんです。
ちなみに、ヤマト運輸が労使合意で定めている残業を含めた年間労働時間の2018年度の目標は2400時間(2%減)と、上記のかけ離れていることからもわかります。ただ、日本全体で見ると総実労働時間は決して長くは無いのです。
では、なぜ日本の正社員などフルタイムの労働時間が長いのでしょうか?
それは未だに蔓延する精神論が原因だと言えます。大雪でも出社を強要する上司。上司より先に帰れない雰囲気。後ろめたい有給休暇の取得申請・・・など。会社に対して忠誠心を強要する。同調圧力が強いとされる日本では、一人だけ違う発言や行動を取るのは勇気のいることですね。建前では成果主義と言っておきながら、実際は根性主義。
「あいつ、数字は良くないけど、毎日遅くまで頑張ってるし、若い時のオレにそっくりなんだよね〜」といった好き嫌い人事。
高度経済成長期においては、労働を集約し、工業製品を大量生産する。すなわち労働集約型産業の育成が目的でした。そのために、個性よりも同調することが求められ、その代わりに所属欲求や承認欲求を満たされるような組織運営がなされてきました。
ところが、消費者のニーズが多様化し、大量生産から多品種小ロットへ。より付加価値のある商品が求められる時代へとシフト。さらにはAIやロボットが人間の代わりに単純作業やルーチン業務をするような時代になり、考える社員、自立する社員が求められるようになってきたのです。
■サードプレイスを持たない男性サラリーマンは孤立化する?
新卒で大企業に就職し、忠誠を誓うことで約束された、終身雇用制度が履行されるという保障はもうありません。労働者は自ら時代の変化に対応していく知恵と能力を身に着けなければならないのです。大企業では55歳ごろからセカンドキャリアのための研修などのプログラムが用意されてはいますが、継続雇用制度を導入している企業の社員の約9割が継続雇用を選択しているのが現状です。しかし、継続雇用後の部下が上司となる職場では、やりがいを感じられずストレスを抱える人も増えているようです。定年後も生き生きと働いている人は、仕事以外での人脈を持っていたり、コミュニティに所属したりと、サードプレイスを持っている人ばかりです。
サードプレイスというのは家庭、職場とは別に存在する自分の居場所、アジトのような場所です。昭和を生き抜いてきた男性サラリーマンにとってはスナックがサードプレイスだったと言えますが、今、週に何回もスナック通いをしていたら、不倫疑惑を掛けられ離婚葬儀に発展しそうですね。
そんなサードプレイスを持たずに定年を迎えてしまった会社ファーストな男性サラリーマンは孤立化する傾向が高いのです。話し相手を求める行動の度が過ぎてクレーマーになったり、家庭内管理職のように威張り散らすことで熟年離婚をしたりと、悠々自適なはずのセカンドライフは夢物語?といった人生を送る人が増えているようです。
雪かきの話に戻しましょう。
■雪かきと異業種交流会の違い
ご近所さんと一緒に雪かきをすることで、自然と会話が始まります。一緒に汗をかくことで達成感を得ることもできます。異業種交流会のように名刺交換や自己紹介をするわけでも無いので、お互い名前を知らないままのケースも。でも雪かきを通じて、表情や行動から、その人が持つ価値観が何となくわかってきます。気が合いそうなご近所さんが居たら、缶ビールで乾杯するなど、プチおつかれさん会を提案してみましょう。そして、仕事でも家庭でも何でもいいから少し質問してみましょう。意外なところで繋がっているかもしれませんよ。
また、あなたが雪かきをしているのに、見て見ぬふりをする人がいますよね。でも、気にする必要はありません。見ている人はちゃんと見てますから。人手が必要であれば、「雪かきを少し手伝ってくれませんか?」と声を掛けてみてください。人は頼まれると断りにくいものです。昔と異なり、他人に物事を頼みづらい傾向がありますが、雪かきは地域社会のためです。声を掛けてみましょう。
人生100年時代に向けて、生活資金を得るために働くことは重要です。しかし、リタイヤ後は、自分を押し殺し、お金のためだけに働くのは止めましょう。それよりも同じ価値観を持った仲間を作ることです。社会的な孤立や孤独を避け、幸せに過ごすために働きましょう。そのきっかけとして、雪かきを始めてみませんか。
「私は町内会の役員をしている!」
まずは、その考え方を変えることです。会社→町内会。組織ありきではなく、個人と個人との繋がりが孤立を避ける第一歩なんです。
■おまけ「ジョセササイズ」
除雪作業は辛いものです。除雪を楽しむために活動をしている団体があります。日本ジョセササイズ協会です。ジョセササイズとはすなわち「除雪」+「エクササイズ」のこと。サポーター会員(入会金・年会費無料)に参加し、除雪後にみんなで記念撮影をしてSNSにアップしましょう。
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