なんで大雪警報でも出社しなくちゃいけないの?改めてテレワークを考える
お父さん、大雪警報出てるのに、なんで出社するの?
今年の北陸は太平洋側に移住したくなるくらいの大雪でした。
「平成になってからこんなに雪かきをした記憶はないくらい」
記憶にないくらい・・・?
ということで、ちょっと調べてみました。
金沢市の最大降雪量(青い折れ線)では1985年以降最高です。合計積雪量で見ても2番目。それより、昔は半端なく雪が積もっていたんですね。最大積雪量が2メートルなんて年もあったようです。想像するだけでゾッとします。ただ、1991年に観測地点が変更になったようなので、単純に比較するわけにはいきませんが・・。
また、大雪警報、大雪注意報が出る度にスマホに通知が届いてうんざりした人も多いかと思います。そこで、大雪警報、大雪注意報が発表された回数も調べてみました。
すると、今シーズンは、金沢市に大雪警報4回、大雪注意報13回も出たんですね。ちなみに、昨シーズンは大雪警報1回、注意報7回ですから明らかに多いですよね。でも、その前のシーズンを見ると、大雪警報4回、注意報12回なので回数だけで見ると今年とあまり変わりません。
大雪警報、大雪注意報が発表されたからといって、大雪になるとは限らないようです。すなわち、天気予報は当たらないという過去の経験が、大雪警報でも足が会社に向かわせてしまうなど油断の原因の一つなのかもしれません。
最近では、IoTやビッグデータ、AIの進化などによって、数時間先の天気の変化をスマホで見ることができるようになりました。今後はもっと天気予報の精度は高まっていくことでしょう。そうなると、「仕事は天気次第。天気は運任せ」。大雪だったら会社を休みにするか?ではなく、事前に大雪の時の働き方を決めておく事が重要となります。
災害などリスクが発生しても重要業務が中断しないように準備をしておくことためのプランのことを事業継続計画(BCP)といいます。その中の勤務形態の一つがテレワーク(リモートワーク)です。テレワークは、メーカーの工場や、サービス業のように人間がいないと業務が遂行できない職種を除く、オフィスワークが主体の事務職においては基本的に可能だと言われています。
では、テレワークについて深掘りしてみましょう。
■テレワーク(リモートワーク)の定義
まず、テレワークの定義を確認しましょう。
テレワークとは、会社のオフィスに出社せず、自宅など離れた場所で働くという勤務形態のことです。リモートワークとも言われます。テレワークの中で、ほとんどオフィスには出社しない勤務形態のことを在宅勤務と表現したりします。
テレワークに適している代表的な業種といえばIT企業ですね。実際にテレワークを導入している企業の比率は高いようです。ホームページのシステム(CMS)でワールドスタンダードになっているWordPressの運営会社が本社オフィスを閉鎖し、リモートワークに完全移行を決めるなど、極端な例も。日本でもオフィスを持たずにフルリモートワークで運営している会社は幾つかあります。
【BUSINESS INSIDER】WordPressの運営会社が本社オフィスを閉鎖 —— リモートワークに完全移行
IT企業と言えば、カフェのような雰囲気のオシャレなオフィスにカジュアルな服装の社員が、Macを並べながら、ホワイトボードに向かってワイワイガヤガヤとディスカッションをしているイメージがありますよね〜。
でも実際は、シーンと静まり返ったオフィスにヘッドフォンをした社員が、無言でキーボードをカチャカチャと叩いているだけ、という会社の方が多かったりします。隣の人とはチャットで話をしたりしています。
インターネットもメールも携帯電話も無かった時代から働いている人からすると、オフィスの雰囲気は随分と変わったものです。裏を返せば、インターネットと携帯電話さえあれば、オフィスに居なくても仕事はできるということです。
■日本のテレワークの導入企業はわずか18%。アメリカは9割
日本では、10年以上も前からテレワークの普及に国を挙げて取り組んでいます。昨年(2017年)は7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、テレワークという働き方をさらに促進させようという運動を開始するなど積極的です。
しかし、総務庁の「平成28年通信利用動向調査」によると、テレワークの導入企業の8割は効果を認めるものの、制度利用は16%にとどまっているのが現状です。
アメリカではすでに9割、イギリスでも4割近い企業がテレワークを導入しているのに対し、日本は普及が遅れているのなぜでしょう?
テレワークを導入しない理由を見てみましょう。
「テレワークに適した仕事がないから」(74.2%)
「情報漏えいが心配だから」(22.6%)
「業務の進行が難しいから」(18.4%)。
1番目の「テレワークに適した仕事がないから」え〜〜っ?って感じですよね。
一日中オフィスでパソコンに向かっている人はテレワーク可能なんですけど〜?
「今日も、朝から会議が、4件も入っているし、来客もあるから・・・・」
そもそもその会議って本当に必要なんですか?
「膝を突き合わせてコミュニケーションが取れないと仕事がスムーズに進まないんでねえ・・・」
話を聞いてほしいのは上司のあなたの方では?
会社に行かずに家に居ると、奥さんに煙たがられるから?
会社で頑張っている姿勢を上司に見せないと、評価されないから?
な〜んて、言い訳をあげればキリがないですね。
働き方改革というのは、各々が働く目的を考え、それを実現するためにはどうしたら良いかを考えて行動することです。いろんな働き方があっても良いのです。まずは、トライしてみて自分に最適な解を見つけることの方が大切です。テレワークはその手段の一つなんです。
でも、働く目的って言われても、答えに困ってしまいますよね。大半の人は「働く目的 = 生活のための収入を得るための手段」と答えてしまうかもしれませんね。会社に自分の将来を委ねてしまうのはリスクだというのはわかっていても、ゲーム・チェンジをするには勇気のいることです。そんな人こそ、テレワークなど違った働き方を試行してみることで、様々な気付きの中から、働く目的を発見できることが多いです。
■あなた自身がセキュリティホール?
テレワークを導入しない理由の2番目と3番目は、セキュリティとコミュニケーションのことですね。でも、よく考えてみると、これってテレワークを導入するかどうかに以前に存在している課題ですよね。
セキュリティ大丈夫?ってシーンは日常生活の中でもよく見かけます。
ランチに行くと見かける、首からセキュリティカードをぶら下げている会社員。会社名や名前だけでなく写真付き。個人情報保護丸見えだけど大丈夫?
電車の中で、大声で仕事の話をしている会社員。大丈夫?
カフェでパソコンを開いて新商品の企画書らしきものを書いている会社員。大丈夫?
セキュリティあるある。あなたの周りにもありますよね。
どんなに堅牢なセキュリティシステムを導入しても、セキュリティ教育を同時に行わないと意味はありません。「やれ」ではなく、その理由も合わせて意図を説明することが重要です。
もう一つ、セキュリティあるあるをご紹介します。
スポーツクラブの更衣室で見かけたこんな張り紙
「更衣室での携帯電話、スマートフォンのご利用はお控えください」
なのに、更衣室でイスに座ってスマホをいじっている人って居ますよね。
なぜ、更衣室でスマホをを使っちゃいけないんでしょう?
実は、先日、質問してみたんです。
「更衣室ではスマホは禁止されているのは知ってますか?」
「あっ!でも、電話してるわけじゃないから問題ないでしょ!」
そうじゃないですよね。
問題なのは、携帯電話やスマホに付いてるカメラですよね。
お風呂の脱衣場で誰かがあなたの裸姿を撮影し、勝手にネットにアップされたら、誰が責任を持つんでしょうか?
そうなんです。「なぜ、スマホが禁止なのか?」を
わかっていない人って意外と多いんです。
どんなに堅牢なセキュリティシステムを導入しても、利用する側の理解が乏しいとセキュリティは穴だらけ。外部との接続を切る。あるいは、コインチェック社の仮想通貨が盗まれた時に話題にもなりましたが、大切なデータはHDDごと社内のネットワークから切り離して金庫にでも入れておかなどしないといけません。つまり、セキュリティ対策に完璧は無いということです。
ただ、ハッキングなどの外部からの攻撃よりも、人が原因で情報漏えいしてしまうケースの方が多いのです。言い換えれば、教育と運用面で防止することができます。したがって、テレワークでも情報セキュリティが守られるシステムはどんなものが良いか。さらに、テレワークをする人にはどんな教育をすれば良いか。これらをクリアすることで、会社全体のセキュリティがより堅牢なものになるのではないでしょうか。
では、セキュリティを意識しながらテレワークを実現するのはどんな方法やツールがあるのか気になりますよね。これについては、次回ご紹介いたします。お楽しみに。
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