行列が苦にならない人は、テレワークに向いていないので今まで通り出社した方が良い!?
「金沢にも地下鉄ができないかなぁ」
「○○バスって本数が少ない上に、最終も早い。しかも、運賃が高い。SUICAは使えない。時間通りに来ないし、運転手の態度が・・・。」
どういうわけか、地方ではバス会社に対する不平不満が多い。
たまにしかバスに乗らない人ほど声が大きい。
地方都市においてバスは大切な交通インフラ。みんなで寄ってたかって文句を言えば言うほど、運転手の成り手は居なくなり、サービスの質も量も低下してしまいます。金沢市のような観光地においては交通インフラの質の問題は放置的ない課題です。
「一体、電車が何が良くて、バスの何がイケ無いの?」
答えは簡単です。
バスは遅延リピーター※だからです。
しかも、事前に連絡がない。
※遅刻常習犯という表現が一般的ですが、犯罪行為を行っているわけではないので、遅延リピーターという表現を使用しました。
昔の学校だったら廊下に立たされ、会社だったら人事評価が下がりそうですね。
世界一日本の電車は時間に正確です。専用の線路の上を走っているんですから当然でしょ。バスは一般の道路を他の車と一緒に走ってるんですから、交通事故や道路工事が原因で遅延するのは仕方が無いことです。期待のAIで解決できるような問題でもありません。
これじゃ、バスの運転手さんも、乗車する利用者もストレスが貯まる一方です。
これと良く似た事象があるんです。
それは宅配便です。
日本の宅配便も電車同様に世界に胸を張れるくらい優秀ですね。ところが、昨年、ネット通販の急拡大に対応しきれず、運賃の値上げと取扱総量規制をしました。
宅配便の代表格であるクロネコヤマトのが誕生したのは42年前の1976年。離れて住んでいる家族にお米を送ったり、スキー場やゴルフ場に道具を送るなど、ショッピング以外での利用が大半でした。ところが、今はいつでもスマホで手軽にショッピングができる時代。決済もクレジットカードを一度登録しておけば、「ポチッ」で終わり。駐車場やレジに待つ必要ももうありません。こうなるとわざわざお店に行って買い物をする必要が無くなるのは当然の流れだといえます。
このネット通販の利便性を実現しているのは、IT技術の進化が大きく貢献しています。倉庫内ではロボットが商品を運んできて仕分けをしたりと、購入から配送までのショッピングの上流工程において、IT化が進みました。ところが、宅配便のトラックが自宅まで届けるところのラストワンマイルはどうかというと、あまり合理化が進んでいないのが現状です。
また、再配達が問題視されています。2017年10月度の宅配便の再配達率は15.5%。改善するために、宅配ボックスや、「明日、荷物を配達するから、家にいてね〜。不在なら配達日時を変更してね〜」といった、配達前にメールやアプリで通知するサービスの始めるなど。それよりも、「宅配便のトラックのドライバーが大変だ!」という報道によるアナウンス効果の方が一時的には効果的だったかもしれませんが。
この宅配便のラストワンマイル問題は、電車のように正確に配達日時に荷物を届けるか、配送センターなどに荷持を取りに来てもらうか、宅配ボックスの有無にかかわらず、在宅、不在問わず荷物を置いてくるなど、従来の宅配便のルールを変更する必要があるので容易ではありません。
ただ、この問題の本質は、忙しい二人が、同じ時間に同じ場所で待ち合わせなければいけないというルールが不合理を生じさせているのです。
さて、バスの話に戻しましょう。
時間通りに来るか来ないかわからないバスを待たなければならない。
バスの運転手さんも、乗る人が居るか居ないかわからないけど、とりあえず運転しなくちゃいけない。どう考えても不合理ですね。
スマホのアプリでピッとすると家まで迎えに来てくれて、目的地まで送ってくれる。しかも、値段もバス料金ぐらいで・・・。これってUberの事ですね。
Uberはシェアリングエコノミーと言われていますが、働く人の時間と場所から開放したことが新しい点ですね。これ以外も、ドラマや映画もネットでオンデマンドで見る時代です。今後は様々な事が時間と場所から解放されていく事でしょう。
ところで、会社ではどうでしょう?
毎日決まった時間に満員電車に揺られ、あるいはマイカーで出社し、仕事があろうが無かろうが定時までは会社に居なければならない。
しっかりと、時間と場所に縛られていますね。
「面白そうなセミナーがあるんだけど、平日の昼間なんだよなぁ。上長に申請してもいいんだけど、目的や期待される成果を聞かれるだろうから気が重い。かと言って、セミナーのために有給取るのももったないような気がする・・・・。」
時間に拘束されている例ですね。会社員なら経験があるはず。
時間と場所を縛られない働き方と言えば、「テレワーク」「裁量労働制」。
「裁量労働制」の適用範囲の拡大は、労働者を時間という制約から開放するためのはずなのですが、制約を外すと無制限に時間が拘束されるという懸念から今回の働き方改革法案からは除外され先送りに・・・。
では、「テレワーク」はどうなんでしょう?
場所に縛られず、満員電車に揺られなくても済む働き方というのは、社員にとって、給与が下がらなければ、むしろ望ましいと感じている人は少なくは無いでしょう。一方で、上長は、部下の行動が見えなくなることから反対意見の方が多いかもしれませんね。「あいつ、数字はイマイチだけど、毎日遅くまで頑張ってるからなぁ。」こういった企業は「テレワーク」導入に対しては後ろ向きです。
「テレワーク」の導入が成功するかどうかは、「時間と場所を拘束する業務を減らし、待たされることによるストレスを減らす」ことができるかどうかです。
まずは、「無駄な会議」を止めることです。
毎週決まった時間に部署の全員を集めて「ホウレンソウ」という名の無駄な会議をしていませんか?また、上長の演説の場になっていませんか?
同じ時間に同じ場所に集まらなくても情報共有はできるはずですよね。
もう一つは「メール処理」を止めることです。
あなたは1日に何通の社内メールが届いていますか?
社内で「メール処理」という言葉が使われてませんか?メールは会話をするための手段であり、作業ではありません。作業だったら思い切って削減するかAIに任せてしまいましょう。
特に、社内メールは禁止しても良いくらいです。メールは片方向のコミュニケーションツールになりがちで、一生懸命時間をかけて書けば書くほど、メールの返事を待ち続けるのはストレス以外の何ものでもありません。
時代が変化、様々な事柄や価値観が変化してきたにも関わらず、企業は組織の形態やルールを変えずに維持したため、歪みが生じているのです。生き残るためにはルールを変えるしかないのです。
テレワークを導入する前に、「時間と場所を拘束する業務を減らし、待たされることによるストレスを減らす」ために、業務を見直すことが必要です。
時間と場所にとらわれない働き方をしている企業が活用しているのがビジネスチャットツールです。
ビジネスチャット?
そうです。LINEなどのチャットツールの事です。
ビジネスチャットの歴史は意外と古く、ICQや、1996年に日本のフリーソフト作者によって制作された「IP Messenger 」が始まりだと言われています。IPメッセンジャーを会社のパソコンにインストールすると、相手が在席中かどうかがわかるのと、ちょっとした業務上の連絡だけでなく、上司の悪口などちょっとしたおしゃべりに便利なことから、女子社員の間で一気に広まったのです。
「IP Messenger 」は社内のネットワーク上の相手としかやり取りが出来なかったのですが、インターネット経由で社外の人とやりとりができるmsnメッセンジャーや通話機能があるSKypeなど複数のサービスが登場したことで、IT系企業や海外とやりとりをする企業など一部で広まり始めたのです。そして、スマホとSNSが普及がプライベートから企業での利用へと拡大しているというのが現状です。
会社としてビジネスチャットを正式に導入していなくても、個人のアカウントで社外とのやりとりにFacebookメッセンジャーなどのチャットを使っている人は多いはずです。
ビジネスチャットの良いところは、時間と場所を気にせず短文でやりとりができることです。グループチャットを活用すればオンラインで会議を開く事ができます。
プロジェクトごとにグループを作って管理すれば、メールボックスを探さなくても、グループチャットを遡れば履歴から全体像を時系列で確認することが出来ます。
以前はロータスノーツ、最近ではサイボウズ、Office365、G Suiteといった、グループウェアを導入する企業も増え、グループウェアに含まれるビジネスチャットを使う企業も多いのですが、社外とのやりとりが出来ないものも多いことから、専用のビジネスチャットツールを導入する会社が増えています。
最近人気なビジネスチャットツールは次の2つです。
使い方は、習うよりも慣れろだと思いますので、お友達や同僚に使っている人を探してお友達になってもらって実際に使ってみてください。
お友達を探すのが面倒な方は、働き方の未来研究所のChatWorkのグループチャットに参加してメッセージを送ってみてください。
ところで、体調不良で会社を休む時どうやって連絡をしていますか?電話?メール?LINE?
ネットで検索すると・・・。
「会社を休むときは、就業開始10分前に必ず直属の上司に電話かメールをいれよう。基本は電話で」
「会社を休む時のメールや電話のテンプレート」
体調不良で会社を休んではダメで、上長のお許しを得なければならないような内容が多いのにビックリ。
ちなみに、有給休暇の権利に関して『労働基準法39条』に明記されており、同じ条文にこれを制限できる場合も明確に定められています。
したがって、時季変更権が行使できるような特別な理由がない限りは、有給休暇を取得することができます。つまり、体調不良で休んでも良いのです。
体調が悪い時に、嫌な上長に休暇の連絡するというのは、さらに体調を悪くしそうですね。電話じゃなくて、メールだとしても文章を考えたくないですね。
そんな時、社内の連絡などのコミュニケーションがチャットになっていれば、こんな風に連絡を入れることができます。
「○○さん、おはようございます。実は風邪をこじらせちゃったようで、熱があるんです。すいませんが、今日お休みをいただきます。
業務に関しては○○チャットの中を見てもらえればわかりますし、○○さんには客先から連絡があったら対応するよう伝えておきました。
もし、不明な点がありましたら、チャットで連絡をもらえれば、連絡が遅くなるかもしれませんが、回答いたしますので、よろしくお願いします。」
「○○さん、おはよう!最近、寒暖の差が激しいから体調管理が難しいよね。仕事の方は日頃から情報共有されてるから心配せず、ゆっくり休んでね。それじゃお大事に!」
実際に、体調不良で会社を休む際の連絡方法について何人かにヒアリングをしたところ、
ビジネスチャットを導入している企業ではビジネスチャットで連絡。
導入していない企業の場合は、同じ部署の同僚にLINEで連絡をする
というのが、多いようでした。
あなたの会社はどうですか?
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